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 キャブレター

オーバーホール
純正キャブレターやレーシングキャブレターで長年の使用によって調子が悪くなってきているのを、分解・洗浄・消耗した部品の交換等で復活させます。
洗浄液は強力すぎると非分解部分の樹脂部品にダメージを与えるので、ガソリンや攻撃性の低いキャブクリーナーを使用します。ジェット等で腐食や不純物の付着によって内径が変ってしまっている物は交換が必要です。
2気筒や4気筒では同調調整も含まれます。純正負圧キャブではバキュームゲージをつないで合わせ、レーシングキャブではスロットルバルブの開く量やタイミングを目視して合わせます。
キャブレター本体の問題だけでなく、インシュレーターやエアボックスダクトの劣化、エアフィルターの汚れ、取付不良なども不調の原因になります。
古い純正キャブでジェット等の部品が中止になっていても、一部のミクニ製では部品製作できる場合があります。

セッティング
レーシングキャブでも一度セッティングを出せば1年を通じて微調整のみで好調に走れます。交換したからといって燃費がひどく悪くなったり、町乗りで黒煙が出たりするものではありません。ちゃんと合わせてやればSTDキャブに劣らないスムーズさが引き出せます。またマフラー交換やエンジンチューンでもしない限り一度出したセッティングが極端に変わることはありません。
各種スロージェット、エアジェット、メインジェット、ジェットニードル等在庫してあります。
STDキャブレターは基本的にセッティング出来ません。ジェット等の変更を考えた作りになっていない為、メインジェットを換えるだけでも非常に手間がかかり、またオプションのニードル等も出ていません。レーシングキャブの何倍もの手間が掛かるため、やるとなると金額も相当な物になります。
キャブセッティングの実走行で合わせられるのはスローからニードルまでで、速度が出すぎて危険な為メインジェットはそのままになります。メインジェットを合わせるにはシャーシダイナモでの測定が必要です。
低開度から全開まで合わせるには実走行とシャーシダイナモ使用の両方が必要になります。
キャブレター交換後にある程度の距離を走っている場合、内部の汚れ等の影響が出てくる為、セッティング前にオーバーホールが必要になります。
車両のコンディションによってはセッティングが出ない場合があります。
セッティング不良でのトルクの谷や低速での不安定さは解消できますが、マフラーの特性による物はセッティングでは解決出来ません。
モトクロッサー等公道で走行できない車両の場合は要相談。
対応機種
ケーヒン CR FCR ミクニ TM TMR

各キャブレターの特徴


ケーヒン FCR
各ジェットやニードル等の役割分担がはっきりしていて番手を変更したときの変化がわかりやすいキャブレター。多少セッティングがずれている場合でも調子の悪さを感じ取れるのでシビアですが逆に分かりやすいともいえます。
セッティング次第で開け始めが非常にスムーズになります。
スロットルバルブの方にベアリングのローラーが付いているため長期間使っているとキャブレターボディが磨耗してきます。定期的に掃除やスロットルバルブを交換していれば長持ちしますが、極端にスロットルが重くなったり引っかかったりしてきた場合、キャブレター本体を交換しなければならなくなります。


ミクニ TMR
加速時のパワー感やレスポンス、右手の動きとのダイレクト感が他よりも良く,リニアな反応をします。反面、低開度での反応がシビアで開け始めのドンつきが出やすい傾向があります。
多少セッティングがずれていてもそれほど調子悪くはなりません。
ジェットやニードル等の番手を変えたときの変化が広い範囲で出ます。
加速ポンプなど調整できる部分が多い分セッティングに掛かる手間は多くなります。スロットルバルブのベアリングが本体側についている為、長期使用でも本体はあまり消耗しません。


ケーヒン CR
加速ポンプが無い為、加速時のパワー感はFCRやTMRと比べると劣りますがピークパワーはほとんど変わらない位出ます。
構造がシンプルなので各部品の耐久性が高くオーバーホール時の交換部品も少なくて済みます。
セッティングがずれている時の変化が大きく出るので調子を悪くさせやすいですが、ジェットやニードルを交換した時は変化が非常によく分かります。
低開度域は通路が一系統しかない為、ある程度のレベルで妥協せざるおえない場合があります。


ミクニ TM
フラットバルブを採用した為レスポンスがよく、加速ポンプも有るため加速時のパワー感もいいです。
スロットルバルブが張り付きやすく、それの対策として硬いリターンスプリングを採用しているので他と比べるとどうしてもスロットルが重くなりがちです。
汚れに対して敏感でまめなオーバーホールが必要です。
現在は主流では無い為、部品の入手に時間が掛かる場合があります。メインジェット以外全てTM専用のジェットやニードルが必要になります。
パイロットスクリューが非常に折れやすいので細心の注意が必要です。折れた場合、本体が使用不可になります。


ヨシムラ TMR-MJN FCR-MJN
TMRやFCRにヨシムラ独自のMJNノズルが組み込んであり、ある程度のセッティングもされています。
セッティングのずれに対しての変化がおおらかで取付後の調整も最小限で済みます。また取付時に必要な部品も一通り付属していて、説明書も丁寧に分かりやすく書いてあります。
ニードルは現実的には段数の変更しか出来ず、一段変えたときの変化も大きく出ます。その為ヨシムラ以外のマフラーを使ったり、エンジンのチューニングをした時にセッティングを合わせきれない場合があります。


セッティング済みで販売されているキャブレターでも各車両の仕様に合わせての調整は必要です。そのままでベストが出ることはまずありません。

作業に必要なミクニやケーヒンの各種ジェットやニードル等在庫しています。

各部品はSTDキャブよりも消耗が早いです。好調を維持するにはエアフィルターが付いていても1年か2年ごとのオーバーホールをして下さい。ファンネル仕様では使用状況にもよりますが、もっと短いスパンでのオーバーホールを推奨します。

各種オーダーに合わせてスピゴット・エアボックスアダプター等製作します。

作業事例
ZZR1100D
適合品が生産中止の為、GSXR750T用TDMR40を流用し、キャブピッチ変更、スピゴット変更、チョークケーブルホルダ製作、フューエルコック移動等を行なっています。
XV750スペシャル
適合品は無いので、TMRシングル用を2つ使用し、ケーブルホルダ、プーリー、スピゴット、エアボックスアダプタ、スロットルホルダを製作しています。
モトマーチン GPZエンジンモデル
適合品は無いので、GPZ1100F用TMRを流用し、各部品を変更、調整して使用。
BMW R100R
適合品は無いので、TMRのシングル用を2つ使用し、スピゴット製作等を行っています。

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